何となく3人でのバトミントン部の練習が始まりました
そこに、同じ学年の音楽部北村さんがマネージャーとして加わります
そして迎えた新人戦
ここが、ひとつの「転機」となりました
松山さんと田中さんが、団体戦で不甲斐ない試合をしてしまったのです
二人に、「葛岡さんに申し訳ない。悔しい。」という気持ちが芽生えました
松山さんと田中さんは、新人戦の後も、バトミントン部の練習に来ました
理由はひとつ
「葛岡さんと一緒に高総体の団体戦を戦うため」
1か月だけという条件は撤回され、練習に熱が籠りました
そして、迎えた高総体
1回戦から、格上の学校とぶつかりました
しかし、必死で食らいつきます
特に松山さんのシングルの相手は強敵で、コーチ曰く「勝利は厳しい」相手でした
相手の強打したシャトルが、容赦なく松山さんのコートに突き刺さります
でも、松山さんは諦めませんでした
「葛岡さんにつなぐ」
強打されるシャトルを、一心不乱に打ち返し続けました
そして、なんと勝利!!
2-2で最後のプレーヤー葛岡さんにつなぐことが出来ました
このバトミントン部で起こったことを詳しく聞きたいと思い、4人の女子バトミントン部とランチをしました
私は葛岡さんにたずねました
「団体戦に出れて良かったね。嬉しかった?」
葛岡さんは、すぐにこう答えました
「悔しかったです」
1か月という条件で出場した新人戦で芽生えた、助っ人たちの「悔しさ」と、
高総体で仲間の想いに応えられなかった「悔しさ」。
悔しさという、人を成長させる「最高の宝物」が最後の最後に彼女たちを一つにしました
GReeeeNの「キセキ」に次のような歌詞があります
僕らの出逢いが もし偶然ならば? 運命ならば?
君に巡り合えた それって『奇跡』
ひとりの先生の情熱からはじまった、創成館高校女子バトミントン部のアナザーストーリー
いつまでも記憶に残る「青春の1ページ」
右から、葛岡さん、北村さん、田中さん、松山さん