昨年に引き続き、長崎県高校総合体育大会の総合開会式は不参加と致します。
校長になって19年、ずっとこの総合開会式への疑問を持ち続けてきました。
昨年、あるきっかけから、選手団の行進、および開会式への参加をストップしました。
まずこの選手団の行進には、翌日に大会を控える選手に大きな負担となります。
知事をはじめ多くの来賓が来られ、テレビ中継まであるこの開会式。
各校、変な行進は見せられないと、体育の先生が中心となって数日間「行進の練習」が行われます。
大事な大会前にも関わらずです。
そしてこの行進は、高体連が指定した部活動の選手が参加します。
今年は、バレー、サッカー、卓球・・・の様な感じです。
部員の多い学校は、補欠の選手や2軍の選手を参加させて体裁は保てますが、部員が少ない学校は翌日試合に出る生徒が行進をします。
フェアではないのです。
そして行進の順番が回ってくるのに1時間半ほど待たされ、行進をした後も長時間式典に参加。
曇りならばベストですが、太陽が照り付けたり雨になれば最悪です。
昨今の温暖化による気温の上昇も選手団にとっては大きな負担となります。
式典に動員される先生たちの負担も大変なものです。
去年、駐車場係に割り当てられた本校の若手の先生は、炎天下の中いろんな人の心ない言葉に胸を痛めていました。
今でこそ、来賓の祝辞を体育座りで聞けるようになりましたが、元は立ったままでした。
当然倒れる選手が何人もおり、その度に救護隊が担架で運ぶ。
もしかすると、この倒れた子は3年生で最後の試合だったかもしれない・・・
私は、そんな事をいつも思っていました。
加えて、ガソリン代の高騰や運転手さんの数の不足問題。
他の都道府県では、この総合開会式をほとんど行っておらず、屋内で各校数名の参加で総合開会式を行う県も増えてきました。
参加される学校、そして校長先生を批判するものでは決してありません。
「教育的効果」を求められて参加する学校もたくさんあります。
ただ、私はひとりの校長として、毎日懸命に部活動にいそしみ、努力をしている生徒を見ている者として、生徒たちをベストの状態で競技に参加させたいだけなのです。
創成館の入場行進を楽しみにしている私の89歳の母を含め、保護者の皆様、ファンの皆様のご理解をいただきますようお願い申し上げます。
高総体に参加する選手諸君。
僕は校長として、僕の立場で君たちのために戦う。
君たちは、ベストを尽くして戦ってくれ。
健闘を祈ります。